店舗やオフィスでの業務用エアコンの入れ替えを検討しているものの、費用がどのくらいかかるのか分からないとお悩みの方も少なくないでしょう。
業務用エアコンの入れ替え費用は、製品タイプや馬力によってかなりの幅が生じます。
この記事では、それぞれのタイプ別での費用相場を分かりやすく解説します。追加費用が必要になるケースや、業者選びのポイントもあわせてご紹介!
「エアコンの利きが悪くなってきた」
「10年以上使用している」
「最新の省エネ型を導入したい」
そんな考えをお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。
■業務用エアコンの入れ替え費用相場は25~100万円
業務用エアコンを交換する際の費用は、本体・工事費を合わせた相場が20~75万円です。
入れ替えの場合はさらに撤去・廃棄にかかる費用が追加されるため、総額としては25~100万程度になるでしょう。
業務用エアコンの価格に一番影響を与える要素は、その「馬力」です。馬力が大きくなるほどに、広い部屋や外気の出入りが激しい環境でも最適な温度に保つことができるようになります。
一般的に、業務用エアコンは馬力が大きいほど本体サイズが大きくなり、本体価格や工事費も高くなります。
さらに、交換工事総額に影響するのは製品のタイプ(室内機の形状)です。比較的工事の容易な「壁掛けタイプ」「床置きタイプ」は低めの価格になり、工事の難易度が高く本体価格も高額な「天井吊りタイプ」「天井埋め込みタイプ」は総額が高くなる傾向にあります。
【タイプ別】業務用エアコンの費用相場
ここからは、タイプ別に本体価格と工事費を合わせた費用の相場を詳しく紹介していきます。
■壁掛けタイプ:19~56万円
壁掛けタイプは、一般的な家庭用エアコンと同じく壁の上部に設置するタイプの業務用エアコンです。工事内容も家庭用エアコンと同程度のことが多く、本体価格も比較的安いために総額を安価に抑えやすいタイプと言えるでしょう。
馬力の小さい小型・軽量の製品が中心のため、広い店舗やオフィスには向きません。広い空間で壁掛けタイプを利用する際は、1つの室外機で2台以上の室内機を稼働できるマルチタイプを検討しましょう。
【壁掛けタイプの費用相場】
馬力 | 室外機タイプ | 本体価格 | 工事費 | 総額 |
---|---|---|---|---|
1.5~2.5馬力 | シングル | 15万円 | 4万円 | 19万円 |
3馬力 | シングル | 19万円 | 6万円 | 25万円 |
ツイン | 22万円 | 9万円 | 31万円 | |
4馬力 | シングル | 21万円 | 7万円 | 28万円 |
ツイン | 25万円 | 9万円 | 34万円 | |
5馬力 | ツイン | 29万円 | 10万円 | 39万円 |
6馬力 | ツイン | 31万円 | 12万円 | 43万円 |
8馬力 | ツイン | 41万円 | 15万円 | 56万円 |
※交換の場合、上記に加え撤去・廃棄費用(4~20万円)が加算されます。また、工事費は基本工事費のみの相場となります。
■床置きタイプ:24~70万円
大規模な工事ができない場合や、簡易的に業務エアコンを取り入れたい場合におすすめなのが床置きタイプです。床に直接設置するためスペースの確保が必要ですが、壁付けタイプの次に低価格で工事費も安く済むケースが多くなります。
【床置きタイプの費用相場】
馬力 | 室外機タイプ | 本体価格 | 工事費 | 総額 |
---|---|---|---|---|
2.5馬力 | シングル | 19万円 | 5万円 | 24万円 |
3馬力 | シングル | 21万円 | 7万円 | 28万円 |
4馬力 | シングル | 23万円 | 8万円 | 31万円 |
ツイン | 28万円 | 11万円 | 39万円 | |
5馬力 | シングル | 27万円 | 9万円 | 36万円 |
ツイン | 33万円 | 12万円 | 45万円 | |
6馬力 | シングル | 28万円 | 10万円 | 38万円 |
ツイン | 35万円 | 13万円 | 48万円 | |
8馬力 | ツイン | 45万円 | 16万円 | 61万円 |
10馬力 | ツイン | 52万円 | 18万円 | 70万円 |
※交換の場合、上記に加え撤去・廃棄費用(4~20万円)が加算されます。また、工事費は基本工事費のみの相場となります。
■天井吊りタイプ:26~68万円
天井吊りタイプは、本体が大きく天井部分に露出するものの、壁掛けタイプよりも馬力が大きく天井埋め込みタイプよりも本体価格が安価な点が魅力の業務用エアコンです。
天井材をあえて張らずに構造体を見せるデザインの店舗や、小規模なオフィスにおすすめのタイプです。
【天井吊りタイプの費用相場】
馬力 | 室外機タイプ | 本体価格 | 工事費 | 総額 |
---|---|---|---|---|
2.5馬力 | シングル | 19万円 | 7万円 | 26万円 |
3馬力 | シングル | 20万円 | 9万円 | 29万円 |
ツイン | 24万円 | 11万円 | 35万円 | |
4馬力 | シングル | 23万円 | 11万円 | 34万円 |
ツイン | 28万円 | 13万円 | 41万円 | |
5馬力 | シングル | 26万円 | 11万円 | 37万円 |
ツイン | 30万円 | 14万円 | 44万円 | |
6馬力 | シングル | 28万円 | 12万円 | 40万円 |
ツイン | 32万円 | 15万円 | 47万円 | |
8馬力 | ツイン | 43万円 | 18万円 | 61万円 |
10馬力 | ツイン | 50万円 | 18万円 | 68万円 |
※交換の場合、上記に加え撤去・廃棄費用(4~20万円)が加算されます。また、工事費は基本工事費のみの相場となります。
■天井埋め込みタイプ(カセット式):27~75万円
天井にすっきり収まる天井埋め込みタイプの業務用エアコンは、内装を重視する店舗やオフィスにおすすめのタイプです。
業務用エアコンの中でも本体価格が高額で、馬力も大きな製品が展開されています。
なお、天井埋め込みタイプには「ダクト式」と「カセット式」の2種類があります。天井に吹き出し口だけが見えるダクト式はスマートに納まる分、工事内容も複雑です。ダクトの経路や納まり、吹き出し口の仕様などにより価格は大きく変わり、オーダーメイド的な要素が強いため総額も青天井となります。
そのため、今回はカセット式の天井埋込タイプにスポットを当てて費用相場を紹介します。
【天井埋め込みタイプ(カセット式)の費用相場】
馬力 | 室外機タイプ | 本体価格 | 工事費 | 総額 |
---|---|---|---|---|
2.5馬力 | シングル | 19万円 | 8万円 | 27万円 |
3馬力 | シングル | 22万円 | 10万円 | 32万円 |
ツイン | 27万円 | 13万円 | 40万円 | |
4馬力 | シングル | 24万円 | 11万円 | 35万円 |
ツイン | 30万円 | 15万円 | 45万円 | |
5馬力 | シングル | 27万円 | 12万円 | 39万円 |
ツイン | 33万円 | 16万円 | 49万円 | |
6馬力 | シングル | 31万円 | 12万円 | 43万円 |
ツイン | 36万円 | 17万円 | 53万円 | |
8馬力 | ツイン | 46万円 | 20万円 | 66万円 |
10馬力 | ツイン | 54万円 | 21万円 | 75万円 |
※交換の場合、上記に加え撤去・廃棄費用(4~20万円)が加算されます。また、工事費は基本工事費のみの相場となります。
■入れ替え工事で追加費用がかかるケース
業務用エアコンの入れ替えにあたっては、設置状況や製品タイプによって追加費用が発生するケースがあります。業者に依頼する際には、現地調査を依頼して事前に懸念事項をなくし、項目漏れのない見積書を作成してもらうことが重要です。
室外機が遠い場所・高所にある場合
業務用エアコンでは、室外機と室内機をつなぐ配管のメーター数に応じて配管延長料金を設定する業者がほとんどです。
そのため、室外機と室内機の距離が離れるほどに工事金額が高くなります。
また室外機が高所にある場合では、足場や特殊設備が必要になることもあり、別途追加料金が発生する可能性が高まります。
製品タイプを変える場合
通常、業務用エアコンの入れ替え工事は新設工事よりも低価格になるケースが多いものですが、製品タイプを変えた場合は新設工事以上の費用が発生する恐れがあります。
壁掛けタイプから天井埋め込みタイプ、床置きタイプから壁掛けタイプといった変更を行った場合には、これまでの配管経路が使用できなくなる可能性もあり、費用・工期ともに増していきます。
また、近年人気の省エネタイプを選ぶことでも本体価格が数万円アップします。ただし、省エネタイプは大幅なランニングコスト削減につながるため、将来的に見ればむしろお得になる可能性も。長期的なコストプランニングを見込んで選択しましょう。
内装工事が必要な場合
業務用エアコンの入れ替えに伴い、一部の壁や天井を解体する必要がある場合には、別途内装工事が発生します。露出型のエアコンはリスクが少ないですが、埋め込み型の場合や、エアコン本体を隠す内装デザインの場合などは内装工事が伴う可能性が高まります。
業務エアコンの専門業者だけでは対応できない可能性も高いため、内装業者や工務店等と連携して工事を進める必要があるでしょう。
■業務用エアコン入れ替え業者を選ぶポイント
業務用エアコンの取扱業者は数が多いものの、信頼に足る業者に出会うのはなかなか難しいことです。業者選びで後悔を感じることのないように、以下で挙げるポイントを参考にしてください。
複数見積もりを取る
業務用エアコンの入れ替え工事は、採用機種や条件が同じだとしても、業者により大きな価格差が生じます。3~5社程度見積もりを依頼して、比較検討することが重要です。
例え金額が高くても、担当者の誠実さやアフターフォローの内容にひかれて契約を決めるかもしれません。見積価格だけでなく、依頼時の対応や保証内容なども含めて検討しましょう。
現地調査をしてもらう
簡単な条件や機種品番を問い合わせ窓口に伝え、簡易的に見積りをもらうのはおすすめしません。
業務用エアコンの入れ替えは現地の状況や既存機種の内容によって大幅に価格が変わります。素人目には分からない問題を抱えている恐れもあります。
見積依頼時には、必ず検地調査を実施してもらいましょう。
アフターフォロー体制をチェック
業務用エアコンにはメーカー保証がついているのが基本ですが、対象は機器の不具合に限られ、工事不良や消耗品の摩耗等が原因での故障は適用外となります。
独自に施工保証や延長保証を設けている業者も多いため、アフターフォロー体制もしっかり比較して、万一の不具合に備えましょう。
実績の豊富さを重視
業務用エアコンの入れ替え工事は、業者によって技術に差が生じます。
エアコンの設置状況によっては入れ替えが困難なケースもありますが、経験値の高い業者であれば即座に状況を判断し、的確に対処できるでしょう。
一般的に業者の技術力は実績に比例するため、ホームページ等で過去の実例や施工数を事前に確認することが大切です。口コミやユーザー評価についてもぜひチェックしてみましょう。
■まとめ
業務用エアコンを交換する際の費用は、本体・工事費を合わせた相場が20~75万円、撤去・廃棄費を合わせた総額は25~100万程度になることをお伝えしました。
また、費用に影響する要素は以下の通りです。